ナコト写本の契約者

第52話



真帆良武道大会。
ネギは超がこれから起こす計画の重要なファクターを占めるといわれ、渋々といった様子で参加していた。
当然のことながら、バトルロワイアル形式の予選も無詠唱で生み出した数十個の魔法の射手を半自動で撃ちだして一瞬で終わらせるのであった。
なんにせよ、彼にとってこれ以上のないほどの茶番劇である。
なぜなら、予選などといっても出場できるものはほぼ決まっている。
学園の中でも有数の戦闘能力を持つ高畑やエヴァンジェリン、くわえて龍宮、長瀬、桜咲の面々まで参加するのだから本戦に出場できたところで結果は決まりきっていた。
そんな中でも彼には少しだけ楽しみなことがあった。
それは、犬上小太郎の存在。
修学旅行での戦いのからどれほどのレベルアップを果たしているのか。
ネギは自分自身でも理解のできない高揚が“最後”に小太郎との決着をつけたいと望んでいた。

終わってみれば、やはり結果は予想通りだった。
本戦出場者。
ネギ、エヴァンジェリン、小太郎、高畑、龍宮、長瀬、桜咲、明日菜、古。
一人意外な人物もいるが、自分も含め知っている実力者たちは当然のごとくエントリーされている。
他にも、高音、佐倉、大豪院、山下、中村、クウネル、田中といった面々がエントリーされていたが、注意すべきはクウネル・サンダースとふざけた名前を名乗る人物のみ。
無詠唱とはいえ、彼は魔法の射手を“触れもせずに”消した。
何をしたのかはよくわからなかったが、只者ではないことは間違いがなかった。

明日の一回戦の対戦相手である田中。
“あれ”は好きにしてもいいと超には言い含められている。
依頼どおりせいぜい派手にやらせてもらうとしよう。
所詮は機械人形。
壊したところで問題はない…。
「くだらない…」
どこまでも冷めた呟き。
彼の残された短い時間にとってこの催しは所詮は茶番でしかありえないのだった。


あとがき
久しぶりのナコトです。
みじかっ!!
すまん…。
もういっぱいいっぱいです。

真帆良武道大会・・・・・たしかこんな名前だよ…ね? SS戻る

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